■ 第5回コミュニティファーマシーフォーラムのご報告 2018年7月22日(日)

朝9時から夕方6時半近くまで、とても長丁場でしたが、無事終了することができました。


まずは、代表理事の吉岡ゆうこから第5回を迎えることができたお礼とともに、 今回のメインタイトル「明治維新150年、薬局変革の時〜地域とつながる&AIと夢見る未来へ〜」が告げられました

 特別講演1は福岡市保健福祉局政策推進部長の中村卓也氏より、福岡市で実践されている「福岡100」の取組の紹介。ユマニチュードをもとに認知症サポーター研修を地域や学校教育に広げる取組やオンラン診療やオンライン服薬指導の取り組みなど多岐にわたる活動を市が中心となって行っている姿を聞きました。


 基調講演1は、佐賀県の株式会社ミズ常務取締役の入部恭一氏より地域行政と一緒になりながら、薬局が取り組む健康・予防に対する話。コンビニ健診というと、コンビニで健診をやっているのかと勝手に想像していましたが、そうではなく、コンビニに日常来店されている若い方や主婦層のかたに声をかけて、その敷地内の駐車場に来る健診バスで健診をするものでした。コンビニ受診とうことばの響きもあり、お金は変わらないのに安かったとイメージされることが多いというお話でした。  

 ランチョンセミナーは理事であり、医療福祉センターさくら院長の服部益治氏より、予防接種の拡大活用&抗菌薬の適正使用のお話。東京オリンピックに向けてパンデミックがあるかも。予防が大事、その1つとして予防接種がある。現在は高血圧の予防接種も開発中とのこと。「21世紀は予防(健康維持)の世紀です」と締めくくられました。
  

 ポスター発表は17演題。皆さん、地域を巻き込み巻き込まれる取り組みをなされていました。
第2回コミュニティファーマシーアワードは厚川薬局厚川俊明氏の「新たな地域構想3.0〜医療と地域の繋ぎ目の薬局〜」が選ばれました。

 午後からの企業・大学発表では、株式会社のインテグリティ・ヘルスケア代表取締役の園田愛氏はオンライン診療の話、株式会社トレジャーの代表取締役半田真澄氏は、モノから人へ行くためにはモノの部分を効率化、機械化していかなければならないという話。埼玉大学大学院理工学研究科の准教授小室孝氏からはAIと言っても薬剤師のコミュニケーションには置き換われない、見落としを防ぐやサポートするイメージであるという話。大日本印刷株式会社の今井涼介氏は、薬のパッケージや服薬カレンダーに電子デバイス(カードまたはパッケージ)をつけ、PTPから薬を取り出す、ボタンを押すなどのアクションを起こすと情報が電子基板に入力され記録として残せる仕組みの話。実際に飲んでいてもいっぺんに飲んでいるケースなど乖離があるという、これからは本当に飲んでいるのかどうかの検討も必要というお話。最後に株式会社グッピーズの寺田沙也加氏は健康管理アプリ「グッピーヘルスケア」の話。いかに簡便に健康アプリを使ってもらえるのか、健康系で攻めてはだめというお話でした。  

 特別講演2の経済産業省政策統括調整管の江崎禎英氏からは、社会保障改革を行う視点の話。通産省ならではで、効かない薬が多いということをズバリ指摘。高齢者が多くなり生産年齢人口が減っていく、くら~い話が多いがそうではない。65歳から第二の社会活動期が始まる、65歳以上の人たちが生産年齢人口の人たちを支えていかなければならない。とてもインパクトのあるお話でした。  

 基調講演2はお馴染みの理事のセントラルアポテーケのアッセンハイマー慶子氏、今年はドイツ薬局の日のことをメインに、ドイツの薬剤師たちのアウトリーチ型の活動のお話でした。同店のPTA(ドイツの薬学テクニシャン)のアリーン・ホーフマイスター氏からは、ドイツのPTAの教育から実際の仕事の話。日本でもテクニシャンのことを考えるのであれば、きちんとした教育が必要というお話でした。
 
  

 最後に理事の大森由子氏から今年のフォーラム宣言 「薬剤師が楽しいと思うことをやろう!人は正しいだけでは動かない、楽しくなければ動かない」が発せられ、医薬分業のバッシングが吹き荒れていますが、薬剤師が楽しく仕事をすることが、ひいては地域住民の行動変容にもつながるということを皆で再確認しました。 ご来場いただいた方、出展企業・協賛企業の方どうもありがとうございました。

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