ハーボニー配合錠の偽薬について
&2017年の日本コミュニティファーマシー協会の研修について
2017年が始まりました。年明けびっくりしたのは、ハーボニー配合錠の偽薬の件です。日本では医薬品の箱をあけ添付文書を捨てての調剤で、調剤時に中身のチェックをしますので、今まで偽薬はないものとして調剤をしてきました。ところが今回はボトル渡しになっているものについての偽薬の発見です。私達の死角をついたものです。単価が高いということも一因にあります。偽薬の内容を見ますと、患者さんに渡っても明らかにわかるようなものです。どのような意図で偽薬の混入をはかったのか、今後の捜査を待つのですが、ギリアド・サイエンシスでは、今後はPTP包装にしていくそうです。
ドイツの薬局ですが、調剤は箱渡しです。箱渡しの時のチェック機能ですが、
箱渡しのものについては、毎日2個ずつ箱を開けてチェックしています。あけた箱については、閉じて、患者さんに渡してよいようになっています。全国2万軒の薬局がそれぞれチェックしています。もし、不良品が見つかったり、添付文書が入っていないなど見つかりますと、薬剤師会に連絡します。その後、メーカーが対応をします。箱渡し以外の物、例えば散薬や水剤などについては、必ず試験をします。日本からドイツ薬学視察旅行に行った人たちは、ドイツの薬局ではないことがわかっていてもやっている、日本では考えられないこと、と感じる人もいましたが、やはり、抑止力という点では、優れているのだと思います。
会員の皆さんにはお知らせしましたが、今年は健康サポート薬局経営塾という研究会を開催します。健康サポート薬局は、かかりつけ薬剤師・薬局機能があった上に、健康サポート機能も持っていなくてはなりません。基盤のしっかりした薬局経営ができていないと、健康サポート薬局にはなりえません。健全な薬局経営ができることに焦点を当てて研修していきます。これは健康サポート薬局に限らず言えることです。少し、経営のことを学びたい方おいでください。
第3期CP研究会は、第1期から積み重ねてきました地域包括ケア5領域に関わることに付け加えて、患者のための薬局ビジョンに示されていますように、ポリファーマシーや高度薬学管理についても学んできます。今後、2人に一人ががんになり、3人に一人ががんで亡くなる時代がやってきます。がんだからといって、決して死ぬ病気ではなく、がんとともに暮らす時代になっていきます。外来化学療法を基幹病院がやるのではなく、クリニックで行う時代になります。そんな時のために薬局が注射の供給ができるようになっておきましょう。その他、薬局ならではのハーブや漢方についても学びます。
5月5日はコミュニティファーマシーの日です。のろしをあげようプロジェクトの一環として、5月をコミュニティファーマシー月間にします。家庭のくすり箱点検をしましょう。第3期CP研究会第1回目は、そのプロジェクトの解説もします。第3期CP研究会お待ちしております。申し込みはネット若しくはチラシにてよろしくお願いします。