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一燈照隅-14(2023/06/30)

一燈照隅
14
著者
ランタン次郎

● 一燈照隅-14



6月 「お天道様は見ている

2023.6.30

 

大谷選手がすごい勢いだ。とにかく凄い。ワールド・べースボール・クラッシック(WBC)の決勝戦、同僚マイク・トラウト選手との最終回の対決は神様だって書けない感動的なシーンだったことは以前にも書いた。 この出来事だけでも大きなshow劇だった。でもあの当時は大谷選手には失礼ながら、これはこれで一つの出来事として日本人の記憶の中に仕舞われるだけかなと薄ぼんやり思っていた。

ところが大リーグ開幕後の現在の大谷選手は多くの評論家がそのポテンシャルの表現に困るくらい二刀流の活躍が続いている。

全米中で好評価されていることに同じ日本人として自分のことのように嬉しいのは私だけではあるまい。しかし専門家ばかりではない。先日も知り合いと食事をしていた時に、全く室内文化系で生きていて野球のルールも知らない彼の奥様が、このところ毎朝大谷選手の様子を報じる米国からのニュースに首ったけらしい。何が気になるのかと言えば豪快なホームランの連発や三振に切って取るピッチングではなく、ダッグアウトに戻った時のあの屈託のない笑顔なのだそうだ。

そう言えば、彼の映像はスポーツニュースだけではない。一般の人が写すSNS、YouTubeに溢れている姿は子供達に笑顔でサインする姿や、相手選手との楽しそうな会話の様子や、ダッグアウトでリラックスする愛らしい表情は男子でも魅入ってしまう。前述した奥様のハートを鷲掴みにしているのもこの辺りらしい。

またそんな微笑ましいシーンだけでなく、彼の一挙手一投足まで注目されている。例えば  
彼のこんなシーンも話題になっている。
大リーガー達は試合中よくヒマワリの種を食べては、日本人にその感性はわからないが、 その殻をベンチの床に吐き出して、ゲームが終わった後には大量の殻が散乱しているらしい。
ところが大谷選手は他の選手と違って手にした紙コップの中に殻を入れているのである。

米国のテレビの解説者が、この礼儀正しい行動を大リーガー達も真似するべきだとコメントしている。大谷選手は米国べースボールの記録やルールを代えるばかりか、大リーガーの日常習慣も変えてしまいそうだ。

サッカーの試合後にサポーターがゴミ拾いする姿や、いつもフェアプレーを旨とする日本人選手、勝負と品格を重んじる日本の武道。この領域まで到達してしまうと、今後彼が万が一何か失敗をしたとしても「いつかやると思った」とは言われず、「そういうこともたまにはあるさ」と許されることだろう。

能力であれ、人柄であれ日頃から徳を積んでおくことの大切さを感じてしまう。大谷選手はじめ、これからの日本人選手達のパフォーマンスを大いに期待したい。

大谷選手とヒマワリの種 https://www.youtube.com/watch?v=YaOCPIcUHgI

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