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ドイツPTA便り-14

ドイツPTA便り
14
著者
アリーン・フォーゲル
● ドイツPTA便り-14
春が来た=花粉が来た

 

2017.05.02

 

ドイツが春めくと野草や木々の花々が順々に咲き始めます。その先頭を切るのは二月に花粉を飛ばすへーゼルナッツです。週を追って自然は彩りを増していきます。何と言っても美しいのは、春の草花が咲きそろい風景が色鮮やかになることです。

 

しかし、ドイツ人の約16%がかかると言われる花粉症の患者さんは、春の到来を喜んでばかりはいられません。花粉症は、アレルギー性鼻炎、ポリノーシスとも呼ばれています。このアレルギー性疾患は、高木や灌木、草花の花粉により引き起こされます。アレルゲンとなる花粉は、鼻の粘膜や、目、のどの粘膜で炎症を起こし、鼻水、涙目、咳や呼吸障害の原因になり、適切な治療を行わないとステージ転換になり、ひいては気管支喘息にまで悪化します。

 

薬局ではOTC医薬品の相談販売により、花粉症患者さんの症状軽減をお手伝いすることができます。OTC医薬品として購入できる抗ヒスタミン薬にはセチリジンもしくはロラタジンが含有されています。全身作用があり、眠気などの副作用はありますが、花粉症には一般的に使用されています。錠剤の他、水剤、小児用シロップもあります。局所治療に使用される点眼剤や点鼻薬には、アゼラスチンやレボカバスチンが含まれています。ケトチフェン含有の点眼剤は、2015月4月よりスイッチOTC医薬品となりました。点眼剤と点鼻薬がセットになったコンビパッケージもあり、それぞれ購入するより割安です。局所用法なので、錠剤より眠気などの副作用が起こりにくくなります。できれば錠剤は飲みたくない、局所療法で充分花粉症対処できるなら…と言う患者さんの選択肢になります。

 

鼻炎症状が長期に渡り出現し、また、悪化しやすい患者さんのために、モメタゾンもしくはフルチカゾンを含む点鼻薬が今春よりスイッチOTC医薬品となりました。花粉症シーズンが始まったら、定期的に使用することで症状悪化を抑える作用があり、花粉症患者さんの生活クオリーティーの改善につながります。効果出現まで12-24時間を要するで、すぐに効果が現れなくても辛抱強く定期的に使用するのが大切であることを必ずお伝えします。花粉症と医師に診断され、18歳以上の方に適応されます。

 

合成成分含有医薬品以外に、選択肢としてよく薬局で尋ねられるのがホメオパシー医薬品です。ホメオパシー医薬品は、ドイツでは要薬局指示薬(Apothekenpflichtig)に分類され、処方箋は要りませんが、薬局でしか購入することができません。花粉症に使用できるホメオパシー製剤ももちろんあります。コンプレックス剤(Komplexmittel)と呼ばれる製剤には、複数のホメオパシー成分が含まれています。中には小児に適応できるものもあります。

 

患者さんの希望や症状に合った製剤を合見つけだすのが薬局の仕事です。いかに患者さんの苦痛を和らげられるかを第一に、相談販売時の会話の中で、スタッフ各自が持っているアイデア・知識・経験を総動員させ、患者さんのQOL向上の一助となればと思っています。

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