2019年の年頭に寄せて
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します.
年末年始のテレビ番組を見ていますと、平成の時代を振り返ったものが多くありました。失われた30年、昭和の処理に追われた30年などマイナスのイメージが多かったです。
薬局業界で言いますと、平成の30年間は処方箋受取率が伸びた時代だったと言えると思います。ここではあえて医薬分業が進展した時代とは言いません。単に処方箋受取率が11.3%から直近の平成30年2月時点75.1%と伸びた時代です。
私は昭和の時代を30年、平成の時代を30年と過ごしてきました。ちょうど、私が福岡から東京に上京し、日本医科大学多摩永山病院に赴任した年が平成元年でした。病院の薬剤師が入院患者さんのベットサイドで医師とともに協業して働き始めた最初の年です(この年に病院薬剤師に100点という診療報酬がつきました)。
厚生労働省は医薬分業に舵を切り替え、病院薬剤師に入院患者さんのケアを、その代わりに外来患者さんの処方箋を院外へと誘導しました。薬局は院内の調剤をそのまま移転し、調剤のみを行う調剤薬局が増えていきました。患者さんにとっては、病院でもらうのと何ら変わらない、距離がちょっと遠くなり不便になった、薬局はただ薬をもらうところ、パチンコ店の近くにある景品交換所と同じとの思いしかなく現在に至り、分業のメリットを感じられないと昨年、薬局業界は叩かれました。薬局は処方箋がないと入れない、敷居の高い場所となり、欧米の薬局とは違う形でこの30年をすごして来ました。
ここまで書きますと、会員のみなさまの薬局では、コミュニティファーマシーとして、薬局の機能を果たしており、「私の薬局は違う」という思いも強いと思います。昨年の医薬品医療機器等法改正に対する議論や報報告書には忸怩たる思いの方も多いことと思います。
薬機法等制度改正に関するとりまとめ
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000463479.pdf
2019年は新しい年号になります。次の時代、本来の医薬分業を確立していかなければなりません。医薬分業のメリットを感じられるような薬局にしていかねばなりません。そのために医薬品医療機器等法も改正されます。
新年、一般社団法人全国医師連盟が医師の働き方改革の手法として、病院勤務医の一般外来診療の原則廃止を提言しました。「医師の働き方改革」への提言ではありますが、病院は入院患者の治療、開業医は外来診療を行う、これは一つの変化だと思います。
日本コミュニティファーマシー協会は今年6年目になります。真の医薬分業確立に向けてみなさんととともに邁進して行きます。
今後もご支援、御鞭撻の程、どうぞよろしくお願い致します。