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CP羅針盤-7

PC羅針盤
7
著者
吉岡ゆうこ
● CP(Community Pharmacy)羅針盤 7
いきつけ薬局の「かかりつけ薬剤師」

 

2015.11.09

 

皆さん、行きつけの美容院、床屋がありますか?私は15年来行っている行きつけの美容院があります。私の家の近くに新規開店した時から通っています。その美容院のオーナーはやり手で、同一地域にドミナント展開し現在6店舗営業しています。どの美容院も私の家から歩いて行ける距離です。美容師ごとの顔写真入りの名刺があり、受付のカレンダーには美容師の休みの日が記入されています。私の担当の美容師さんが店舗を移動すると、私もついて店舗を変えています。なぜなら歩いていける範囲だからです。しかし、その担当の美容師さんが辞めて家から遠い場所の美容院に移ったとしたら、そこまではついていかないかなと思います。

美容師さんを例えに使いましたが、厚生労働省が10月23日に公表した「患者のための薬局ビジョン〜「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ〜」は、2035年にむけての薬局再編の道筋を示しています。その根幹にあるのは、かかりつけ薬剤師・薬局です。特にかかりつけ薬剤師に焦点をあてています。ドイツの薬局のように基本1薬剤師1薬局しか開局できないようなところでは、自ずと行きつけ薬局の「かかりつけ薬剤師」となりますが、日本はそうではないので、「組織体に対して服薬指導等を行う薬剤師の担当制などの適切な勤務体制の確保」を求めています。

JACPでは行きつけ薬局という処方箋がなくても行ける「いきつけ薬局のコンピテンシーモデル」を提示していますが、行きつけ薬局と謳っているのは、主語を患者にしているからです。しかし、服薬の一元管理をする薬剤師は「かかりつけ薬剤師」、主語は薬剤師で、かかりつけさせるでよいと思います。

JACPでは常に前を見て先に進んでいきたいと思います。会員の皆様、一足先にかかりつけ薬剤師になりませんか。まずは必ず来局される患者さんから。公費負担医療の法別番号15,16,21の自立支援のかた、12の生活保護のかた。行く薬局が決まっていますから必ずいらっしゃいます。私は○○さんのかかりつけ薬剤師ですと名刺を渡し(顔写真入りだとなおベター)、その方が来ると必ず対応する。という担当制を作っていってはいかがでしょうか。10月30日に出された財務省の調剤報酬改定案は予想以上に厳しいものがあります。一人ひとりの薬剤師が覚悟を持って取り組む時期に来ています。コミュニティファーマシーのコミュニティファーマシストとして、担当患者さんの健康、予防、服薬の一元管理を行い、地域で健康に暮らしていけるようサポートしていきましょう。

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