メルマガ新着

CP羅針盤-11

CP羅針盤
11
著者
吉岡ゆうこ
● CP(Community Pharmacy)羅針盤 11
薬剤師は認定薬剤師であること

 

2016.02.08

 

2016年度調剤報酬改定では認定薬剤師が重要ポイントとなります。認定薬剤師の方はよいですが、そうでない会員の方は3月31日までに準備を進めましょう。

 

ネイフィスト研究所の新人研修は薬剤師としての心構えから始めるのですが、認定薬剤師になる方法と生涯研鑽の話をします。生涯研鑽については日本薬剤師会の「薬剤師倫理規定」やアメリカ薬剤師の「薬剤師の誓い」、FIPの「薬剤師の誓い」などにも盛り込まれています。「薬剤師の誓い」の話はまた別途しようと思っています。進歩が激しい医学・薬学分野では「昨日卒業して、今日学ぶのを止めれば、明日は無学者になる(テネシー大学)」と言われてます。

 

日本薬剤師研修センターは優れた薬学的ケアを行なうことのできる薬剤師を求める社会的要請に応えるために、薬剤師の生涯学習を支援し推進することを目的として、平成元(1989)年に設立され、研修認定薬剤師制度は平成6年から始まりました。もう20年も経ちます。長年薬業界にいますが、物事を変えるには20年はかかるのだなと実感します。

その10年後の平成16年に薬剤師認定制度認証機構が設立されました。設立当時は、薬剤師の国家資格の更新制の話がでていて、それを実施するには50くらいのプロバイダーが必要と言われていました。現在プロバイダーの数も増えてきていますが、まだまだ足りません。

 

現在のプロバイダーはこちら

 

http://www.cpc-j.org/contents/c03/ninteiseido1.pdf

 

認定薬剤師だからといって、その薬剤師の質が高いかどうかは別問題になりますが、生涯研鑽をしている姿勢は伺えます。

現在、認定薬剤師の質の担保のため、薬剤師生涯学習達成度確認試験の準備が進んでいます。2016年7月31日(日)に第1回目が実施される予定です。次はそちらに向かっていく必要があります。

 

薬剤師生涯学習達成度確認試験についてはこちら

 

http://www.jpec.or.jp/download/tasseidokakuninsiken20160202.pdf

 

認定薬剤師は、法規的には薬機法の薬局機能公表制度の公表項目であり、薬局内に何人認定薬剤師がいるかを公表しなければなりません。私は研修時に薬局検索をよくするのですが、この認定薬剤師数をチェックします。

 

そして、調剤報酬上では、基準調剤加算の算定要件に努力義務(望ましい)として盛り込まれました。盛り込まれた当時を思い起こすと、エクセレント薬局を作ろうという意図がありました。

 

<算定要件>

当該保険薬局において、調剤従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に薬学的管理指導、医薬品安全、医療保険等に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。併せて、当該保険薬局の保険薬剤師に対して、薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。

 

努力義務の時間が長かったのですが、次期改定で、かかりつけ薬剤師の要件に認定薬剤師が義務規定として盛り込まれます。

 

前回の調剤報酬改定からこの2年間に何があったかというと、昨年の第2回コミュニティファーマシーフォーラムや第1期CP研究会でも課題として取り上げました2014年1月の「薬局に求められる機能とあるべき姿」、そして2015年10月の「患者のための薬局ビジョン」の提示です。いずれにも薬剤師は認定薬剤師であることと明記されています。

 

薬局の取り組みですが、私の知っている薬局では、積極的に認定薬剤師の認定を推奨し、名札を認定薬剤師はゴールドにしたり、認定薬剤師でないと薬剤師手当を出さないところ、あるいは認定薬剤師手当を出すところもあります。

 

しかしながら、日本薬剤師研修センターの認定薬剤師数は2015年12月24日現在、39,031人です。他のプロバイダーの認定薬剤師もいますのでもう少し多いのでしょうが、薬局勤務薬剤師数は15万人くらいですので、非常に今、大変な状況ではないかと思います。勉強や研修は受けているのだけれど申請をしていない薬剤師の方もたくさんいると思います。申請から認定されるまで3週間くらいかかるようです。今後は申請が立て込むと思われますので、研修シールを持っている人は早め早めに動いてください。整理していないと、いつもらった研修シールかわからなくなりますので、もらったらすぐ裏に日付けと場所を書いておくとよいです。そうすればあとで検索ができます(検索の仕方などは次のメルマガで)。日本薬剤師研修センターのシールの場合、それぞれの単位ごとにシールの色が違うのですが、この色の変更も行われていますので注意が必要です。

 

研修シールを持っていない人で、勉強したことに関するシール申請のしかたは次のメルマガで配信します。

メルマガ新着

TOPIC月別アーカイブ