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JACP医薬品情報室-43

JACP医薬品情報室
43
著者
蔵之介
● 医薬品情報室だより-43
慢性便秘症治療薬(モビコール&ラグノス)

 

2020.03.09

 

2018年11月、モビコール®配合内用剤(一般名:マクロゴール4000ほか)、2019年2月、ラグノスNF経口ゼリー(一般名:ラクツロース)が発売されました。欧米では、慢性便秘症の基準薬としてガイドラインで評価の高い薬です。

慢性便秘症治療薬は、浸透圧性下剤の酸化マグネシウムや刺激性下剤のセンノシドなどが汎用されてきました。2012年に、32年振りの新薬となるアミティーザカプセル(一般名:ルビプロストン)が登場すると、2017年スインプロイク錠(一般名:ナルデメジントシル酸塩)、リンゼス錠(一般名:リナクロチド)、2018年グーフィス錠(一般名:エロビキシバット水和物)と新薬が相次いで発売され、『慢性便秘症診療ガイドライン2017』が作成されました。

モビコールは、ポリエチレングリコール(PEG)製剤として初めて小児適応を取得しました。非吸収性で安全性が高く、用量の調節が容易です。欧米では第一選択薬に位置づけられています。日本では大腸内視鏡検査前の経口腸管洗浄剤(モビプレップ他)しかなく、日本小児栄養消化器肝臓学会から小児の慢性便秘症に対する早期開発が要望されていました。なお、主成分のマクロゴールと塩類下剤のマグコロール(一般名:クエン酸マグネシウム)は名称が類似しているので注意して下さい。ラグノスNF経口ゼリーは、ラグノスゼリーの原薬であるラクツロースを純度の高い結晶ラクツロースに変更し、夾雑物のガラクトースや乳糖を1%以下に減らしました。成人の慢性便秘症を適応追加し、慎重投与の項から糖尿病の患者が削除されました。

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