2016年3月31日までの準備
2016年度診療報酬・調剤報酬に関する短冊が2016年1月27日の中医協総会で出されました。まだ点数は決められていませんが、要件が明らかになってきていますので、今できることは準備しておきましょう。
日本コミュニティファーマシー協会では、ドイツの薬学視察旅行を通じて、日独融合型薬局の創設を目標に掲げています。ドイツの薬局を視察して思うのは、地域密着ということです。ドイツは制度として薬局の開設は薬剤師しかできず、かつ支店は3店までしか持てません。一人の薬剤師の管理できる範囲を4店舗までと定めています。そして薬局は地域住民の健康な生活の確保に勤めています。日本では制度を変えることはできませんが、そのような体制にすることは可能です。
次期改定は前回のメルマガでもお話したのですが、「かかりつけ薬剤師・薬局」機能と対人業務に焦点があてられています。「かかりつけ薬剤師・薬局」の「・薬局」はいずれ外れるものと認識していましたが、すでにはずれた算定要件になっています。
かかりつけ薬剤師には、「○年以上の薬局勤務経験と当該保険薬局に○年以上在籍していること」という条件が盛り込まれています。○年が何年になるかを待つことになるのですが、新卒の方、初めて薬局で働く方は算定できない、店舗移動の激しい方も算定できないということになります。そして認定薬剤師が必須要件です。認定薬剤師制度ができて長いですが、やっと認定薬剤師であることが保険点数で認められます。3月31日までの準備というタイトルにしていますが、シールは集めている、研修は受けている、お勉強はしているという方は、薬剤師研修センターにグループ研修や自己研修のシールを申請し、40単位ゲットし、認定薬剤師の申請をしてください。
また基準調剤加算の算定要件に管理薬剤師要件が加わります。
管理薬剤師は○年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週○時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に○年以上勤務していること
薬局の管理薬剤師の当該薬局での勤務年数が短いと、4/1には基準調剤加算を算定できません。薬局内の薬剤師の勤務年数を確認して対応して下さい。
薬剤服用歴管理指導料では、doの患者さんには必ずしも薬剤情報提用紙を出さなくてよいようになります。2014年の調剤報酬改定で、先確認と処方確定、処方確定後の調剤が義務付けられました。薬剤師が先確認後、先に服薬説明まで行い、調剤がすんだら会計で事務さんが呼んで薬を渡しお金をもらうという「薬剤師の先確認先説明」を試行している薬局もありますが、今後は先確認してdoの患者さんには薬情がなくても指導ができますので、先説明がやりやすくなると思います。薬剤師のフロント業務が一層進むのではと思います。
3月26日(土)の第2期CP研究会では病院や診療所の外来、そして在宅の診療報酬改定なども盛り込みながら、薬局業務に関わる改定内容の話をします。そして実際にかかりつけ薬剤師指導料を算定するにはどのようにしていったらいいか、先確認先説明をうまく導入するにはなど、実際の対応策の話をいたします。単回参加も可能ですので、ぜひお越しください。
4月1日から新設される「かかりつけ薬剤師包括管理料」と「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件をまとめました。