2020年9月1日施行と2021年8月1日施行薬機法改正に向けての準備
JACPでは、緊急事態宣言が解除され、一息ついて(東京は東京アラートが出ていますが)、新しい生活様式を模索しています。教育研修のあり方も変えていかなければなりません。世界中の薬剤師がそれに直面しています。FIP(世界薬学連合)の第80回国際会議は、今年のスペイン開催がそのまま1年先延ばしになりました。JACPの7月12日のフォーラムは中止にしましたが、只今新しいテーマにてWEB開催を考えています。決まり次第お知らせします。それからCP研究会やいきつけ薬局経営塾をどうするかなのですが、まだ頭の中に、元に戻れるだろうと言う気持ちがあります。しかしながら新しい生活様式(ニューノーマル)に進んでいかなければなりません。まだその結論が出ていませんので、9月の第6期CP研究会はそのままで実施する予定でいます。
9月のCP研究会のテーマはがんです。がんについては改正薬機法の機能別薬局の専門医療機関連携薬局に関わってきます。関西電力病院薬剤部の眞継先生にお願いしており、関西から東京に来られるようであったら、東京会場で開催したいと思っています。それをZoomで配信するかどうか只今検討中です。こちらも決まり次第お知らせします。
コロナ禍の中ではありますが、9月1日施行の第1弾改正薬機法に向けての準備もしなければなりません。それから来年8月1日施行の第2弾改正薬機法の機能別薬局は、1年前の実績が必要ですので、機能別薬局を目指しておられる薬局は今年度頑張らなくてはなりません。
第1弾改正薬機法で薬局に係るのは継続的服薬指導です。現在省令案が出ており、パブリックコメントを募集しています。省令案によりますと、下記の事項を記載し3年間の保存が義務付けられます。
情報の提供及び指導を行った年月日
当該情報の提供及び指導の内容の要点
当該情報の提供及び指導を行なった薬剤師の氏名
患者の氏名、年齢
それから薬剤師法の改正により調剤録には下記が記入事項に加わります。
調剤時及指導後の服薬指導を行なった年月日
薬剤師の氏名
当該服薬指導の要点
まずは9月1日施行に向けて、継続的服薬指導をどうするかを考えなければなりません。
継続的服薬指導は、情報提供又は指導を行う必要があると薬剤師が認める場合であり、把握する患者情報としては、販売・授与時の確認事項のほか、当該薬剤等の服薬状況、服薬中の体調変化と省令(案)で定められています。
電子薬歴会社より、いろいろな仕組みが出てきておりますので、皆さんは電子薬歴会社より情報提供を受けてください。
薬剤師がこの人はアフターフォローが必要とどこで判断するのか、例えば窓口で必要と思う。そうするとそのことを患者さんに伝えなくてはなりません。電話で、メールで、チャットでアフターフォローをします。何日くらい後に電話、メール、チャットをします。電話ならその時間を決めその時間に出てもらわなくてはなりません。メールなら返信をどうするのか、チャットならどうするのかも決めなくてはなりません。そしてアフターフォローの日が来たら薬剤師が電話をしたり、メールをしたり、チャットをしたりです。メールやチャットは自動的に流れるものもあるでしょう。そしてそれを記録に残さなくてはなりません。近い将来、薬局にI T室もいるのではと思っています。アフターフォローや健康相談をする場としてのI T室です。例えばJACPではいきつけ薬局のコンピテンシーモデルをイラストで示し、左上を医薬品情報(D I)室としていますが、それが医薬品情報を収集するだけでなく情報提供する場にもなる、広くI Tを活用して患者支援をする場になると言うイメージです。
そして第2弾の2021年8月1日から始まる機能別薬局制度ですが、専門医療機関連携薬局を目指されている薬局は、日本医療薬学会の地域薬学ケア専門薬剤師制度の概要が出ましたのでご参照ください。地域薬学ケア専門薬剤師(がん)はそのまま専門医療機関連携薬局の認定要件になるようです。
https://www.jsphcs.jp/news/2020/0525-1.html
6月から日本医療薬学会のHPに研修受け入れ病院がアップされます。その病院と薬局(地域薬学ケア専門薬剤師になろうとする人)のマッチングは各都道府県薬剤師会が窓口になる予定です(7月から8月)。病院での研修は月に3〜4回カンファレンス等に参加し、指導薬剤師からの指導を受けます。費用は年間72,000円/1人、その中から学会が手数料12,000円をもらい、研修施設に60,000円支払われます。
地域薬学ケア専門薬剤師の申請を希望されている方は、勤務先の薬局が研修施設として認定される必要があります。
2020年から2024年までは過渡的措置により「暫定認定」が行われます。暫定認定をしてもらうには、学会発表(がん領域筆頭)1回以上、もしくは論文(がん領域筆頭)が1報あり、がん専門薬剤師集中講義を受けていればOKです。その暫定認定は2020年1月から始まります。その暫定認定を持ってして、2021年8月1日施行の機能別薬局の専門医療機関連携薬局の認定要件になるという流れです。
その後第1回の目の更新までに地域薬学ケアに関する症例50とがんに関する症例20を提出します。それからがん領域に関する学会発表2回もしくはがん領域に関する論文1報が必要です。
新しい生活様式を模索しながら、新しいことに挑戦していかなければなりません。今回のコロナ禍で皆さんの薬局は地域からより認められたのではないでしょうか。ポストコロナ時代に向けて、 JACPも進んでいきます。