登録商標、マルアールの怪?(その2)
以前、医薬品情報室だより(No.6)で登録商標の話をしました。復習すると、登録商標マーク(registered trademark) は、商標登録された商品名に付くマークで、商品名が法的に守られていることを意味します。出願中の商標には、TMマーク(Trademark)を付けます。経皮吸収型狭心症治療薬の「ニトロダームTTS」はが2つも付いています。また後発医薬品(一般名収載の場合)や総合感冒薬の「PL配合顆粒」、解熱鎮痛薬の「SG配合顆粒」にはを付けられないこと。アレルギー性疾患治療薬の「レスタミンコーワ錠」や鎮痛薬の「ランツジールコーワ錠」などは、薬によりが付いたり付いていなかったりしていることを書きました。
ところで最近、ほかにもが付いていない薬を発見?しました。それは、経口抗凝固薬の「ワーファリン錠」や三環系抗うつ薬の「トリプタノール錠」、EPA製剤の「エパデールカプセル」、卵胞ホルモン製剤の「エストリール錠」などです。いずれも局方に収載されている古い薬です。何故なのか?メーカーに問い合わせても、最初から付いていないというだけで納得のいく返答はありません。新薬や外資系メーカー、海外からの導入品には必ず付いています。付いていないのは、エーザイや持田製薬など内資系メーカーで、かつ売れ筋だった古い薬が多いのです。「フロリードDクリーム」に至っては、和名には付いていませんが、英名には付いています。どうも、この辺にヒントがありそうです。しかし実際には、添付文書に ® は付いていなくても商標登録はされているようです。でないと、悪意を持って商標登録をして商標権の侵害などと訴えを起こす危険性があります。いままでの商習慣なのでしょうが、何だか摩訶不思議ですね。
by 蔵之介