水と生活習慣
ドイツの水道水とクエン酸
薬局で求められることの多い化学品のひとつにクエン酸があります。ドイツの水道水は硬水で、湯沸かし器を使っていると炭酸カルシウムが沈着してきます。
これを溶かして除くために、クエン酸や食酢を混ぜた水で1度お湯を沸かします。
水道水が触れるバスタブ、キッチンの流しや水道の蛇口も沈着した炭酸カルシウムで白っぽくなります。定期的に酸性洗剤で掃除するのですが、健康や環境への配慮から、市販の 洗剤ではなく家庭にある食酢やクエン酸を使用する方もいます。
ドイツの薬局では家庭で使える化学品やハーブを量り売りしています。クエン酸は、お掃除だけでなく、果実シロップやジャム作り、シミ取りなどと多目的に使用されます。
家庭の飲料
家庭で使う飲料水は、瓶もしくはプラスチックボトル詰の水(たいてい炭酸入り)を購入します。ドイツの水道水は良質ですが、あまり生水を飲む習慣がありません。購入できる飲料水は水源、精製法などにより、天然ミネラルウォーター(Natürliches Mineralwasser)、湧き水(Quellwasser)、テーブル水(Tafelwasser)の3種類に分類されます。銘柄数は非常に多く、全国区の銘柄もあれば、その地方だけで販売されている銘柄もあります。炭酸の量も各社いくつかクラスがあり、各家庭で好みのものを選んでいるようです。瓶には含有されるミネラルやイオンの種類と量を示すラベルがついています。健康志向からナトリウムの含有量が気になるようです。
近年は、炭酸なし飲料水も好まれるようになりました。飲食店や売店でも炭酸入り・炭酸なしの両方を扱っています。一時は、日本からいらしたお客様に炭酸なしのお水を用意するのが大変でしたが、最近は入手しやすくなり便利になりました。 ハイルヴァッサー(Heilwasser、癒し水)と呼ばれる国の認可を受けた薬用飲料水もあります。これは医薬品扱いになっています。
今年の6月、7月は猛暑日が多く、来局される高齢者の方には、充分水分補給をするように お話しています。
ドイツ人の入浴
日本では、季節を問わず毎日お風呂に入る習慣がありますが、熱いお湯に長時間つかることが苦手なドイツ人は、シャワーで済ませることが多いようです。
入浴剤をいれてゆっくりお湯につかるのは、冬にかぜをひいたとき、筋肉痛・肩こりがひどいときなどです。入浴剤にはユーカリ葉、ペパーミント、ハイマツ、ローズマリーなどの精油がよく使われています。