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JACP医薬品情報室だより-5

JACP医薬品情報室
5
著者
蔵之介
● JACP医薬品情報室だより 5
リクシアナ錠、薬価算定の怪?

 

2015.08.11

 

 

 

上表は、抗凝固薬リクシアナ錠(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)の効能・効果をまとめたものです。何か変だと思いませんか?

 

そうです、30mg錠と60mg錠の薬価が10円しか違いません。通常は、倍よりやや安い薬価になるのに、これは本当に妙ですね??  リクシアナ錠は、第一三共(株)が開発した血液凝固活性化第Ⅹ因子(FⅩa)阻害剤です。旧第一製薬の江戸川区葛西の研究所で創製されたのでエドキサバンと名付けられました。当初は下肢整形外科領域の血栓予防だけの適応で、サノフィのクレキサン皮下注エノキサパリンナトリウム;薬価1,066円)を比較対照薬とし、初めての経口薬なので有用性加算も付き高薬価になりました。  2014年9月に心房細動(AF)による脳塞栓症の予防の適応がプラザキサカプセル(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)、イグザレルト錠(リバーロキサバン)、エリキュース錠(アピキサバン)に次いで4番目に、静脈血栓塞栓症(VTE)の治療と二次予防は初めて追加され、同年12月には60mg錠が発売されました。リクシアナ錠は他のFXa阻害剤(薬価545円程度)と比べても高薬価です。整形外科領域の適応がない60㎎錠は、ワーファリン錠(薬価:9.6円)との規格間調整で薬価が決められました。そのままだと30mg錠より60mg錠が安いという逆転現象が起きてしまうので、10円だけ高くしたようです。同じく変な薬価算定に、抗てんかん薬のエクセグラン錠とパーキンソン病治療薬のトレリーフ錠があります。両剤とも有効成分はゾニサミドですが、薬価はエクセグラン錠100mgが33.6円,トレリーフ錠25mgが1,084.9円と異なります。含有量を同じにして比べると129倍も違います。後発医薬品だと、その差は何と200倍以上にもなります。類似薬効比較方式のなせる怪です。

 

  by 蔵之介

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