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ドイツ薬局便り-7

ドイツ薬局便り
7
著者
アッセンハイマー慶子
● ドイツ薬局便り-7
ドイツ薬学新聞 Pharmazeutische Zeitung

 

2015.11.25

 

今回は、薬剤師会にあたるABDAが薬局向けに出している雑誌についてご紹介したいと思います。ドイツには州ごとに強制加入制の薬剤師組合と任意加入制の薬剤師協会があります。ノルトライン・ウェストファーレン州にはそれぞれ2つあるのですが、全土17の薬剤師組合と17の薬剤師協会、これが統合したものがドイツ薬剤師連盟(ABDA)で、ドイツの薬局と薬剤師の関心を公共に代弁する大代表です。

 

このABDAには薬局と薬剤師の活動をサポートする関連施設と諮問機関があります。その1つがGOVI-Verlagという出版社。ABDAの監修で全薬局に専門情報誌であるPharmazeutische Zeitung(直訳は薬学新聞、略してPZ)を毎週送付しています。PZには、毎月1回PTA(ドイツのテクニシャン)向けの専門情報誌が付いています。PTAは、休み時間や手すきの時、熱心にこれを読み、新しい知識を吸収しています。同出版社は、患者向けの月刊健康情報誌や薬学専門書も扱っています。

 

毎週ページ数が約120に及ぶPZには、薬局で保管義務のあるページも盛り込まれています。不良ロットの回収、副作用情報など、医薬品の有効性・安全性・品質に関わる同情報ページは、PZが薬局に届いたと同時に目を通し、該当するものがあれば、即座に在庫棚から取り出し返品作業を行います。各薬局には、2~3年の間隔で査察が入りますが、その際、薬務官がまずチェックするものは、このPZ保管義務ページの管理・作業状況です。PZは行政、マーケティング、薬学、医学、薬局・企業情報、求人広告など幅広いテーマをカバーし、この1冊で薬局に必要な情報の多くが得られます。学術的に内容の深い記事が毎週掲載されており、薬局スタッフの大切な教材にもなっています。紙面だけでなく、www.pharmazeutische-zeitung.deのネット上で読みたい記事を検索したり、閲覧することも可能です。

 

PZ36号(9月3日発行版)の別冊は、「ドイツ薬事博物館特集」でした。今年5月にJACPが開催した第2回コミュニティファーマシーフォーラムで来日祝賀講演をされた同館長のエリーザベート・フーヴァ氏の来日関連記事が掲載されており、JACPの活動にも触れられています。JACPが日本で「行きつけ薬局」を支援するという確固たる目標を掲げ、理事長の吉岡ゆうこ氏と会員が精力的に活動し成功を収めていること。また、フォーラムや会場での様子、参加者の反応などが大変好意的に書かれています。フォーラムではJACP創立1周年祝いにフーヴァ館長から吉岡理事長に医学の神様とされるアスクレピオスの像が贈呈されたことも写真の掲載と共に述べられています。

 

 

PZはドイツの薬局と薬剤師にとって貴重な権威ある薬学雑誌であり、同誌にJACP関連記事が載ることは、非常に嬉しい名誉あることです。

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