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ドイツPTA便り-24

ドイツPTA便り
24
著者
アリーン・フォーゲル
● ドイツPTA便り-24
クリスマスはもうすぐ

 

2019.12.23

 

12月になるとアドヴェントと呼ばれるクリスマス準備期間が始まります。町や家庭では、ほのかにクリスマスの香りがします。ドアにもみの木の枝や、きれいな色の実をつける木々の枝を飾り、屋内ではポプリやオレンジにチョウジを差したものをテーブルや玄関口に置きます。アロマオイルは冬によく使用されます。クリスマスマーケットが12月初めにあちこちで開かれ、そこでは、香辛料の効いたお菓子やホットワインの香りでいっぱいです。ドイツ人が「ああ、もうすぐクリスマス。嬉しいなあ」と感じる時期です。でも、喜んでばかりもいられないのです。クリスマスまで慌しい日々が続きます。

商店は、この時期非常に忙しくなり、従業員のストレスは倍増です。12月6日は聖ニコラウスの日で、12月24日のクリスマス・イヴとは別に小さな贈り物を家族や知人に渡す習慣があります。5日や6日に慌ててプレゼントを買い求める人々で商店やデパートは大混雑となるのです。薬局も例外ではありません。23・24日は、状況がもっとエスカレートします。年によっては3連休になるクリスマス。プレゼントや、いつもより多めに食料品を買い物をする人々で商店もスーパーもごった返します。

当薬局では12月中、毎年恒例、冬の化粧品セールを行います。ドイツでは日本のように、大手化粧品メーカーが新色や新製品を発表する、春・秋の化粧品デーといったものが、ほとんどありません。それを不思議に思った当店長が、感謝セールとして始めたのが春と冬の化粧品セールです。このセール期間を利用して、薬局でプレゼントを買い求めるお客様が多くなります。当薬局で扱う人気メーカーの化粧品を全製品一律割引にします。セール開始1日目から、待ってましたとばかり、お買い物メモを手にしたお客様が大勢いらっしゃいます。期間中、人気商品が品切れにならないよう11月から在庫調整を始めます。現在庫数を確認し、去年の販売統計を見ながら、各製品の必要量をメーカーに注文するのですが、これがなかなか大変な仕事です。定番商品の注文量は決めやすいのですが、毎年販売数が上下に大きく変動する商品の注文量を決めるのが難しいのです。

日本にも販売拠点を置き、そのオーガニック・コスメで有名なヴェレダ社は、毎年数種類のクリスマス限定・プレゼントセットを製造しています。こちらは、夏に注文しないと入荷できないのですが、こちらも注文時に必要量を定めるのが非常に難しいです。期間限定商品であり人気製品なので、12月になるとメーカーでは完売状態で、追加注文ができません。各社のクリスマス限定セットでは、オリジナルサイズは定価でも、プレゼントや併用すると良い製品がミニサイズでオンパックとしてついているもの、デザインの美しい化粧箱に入って特別価格になっているものなど様々です。人気商品の期間限定ミニサイズや同価格50%ボリュームアップ製品もクリスマス時期に出ます。オリジナルサイズは大きすぎるけど、「ミニサイズなら1度使ってみようかしら」というお客様に喜ばれています。今年のヴェレダ社のプレゼントセットにはハンドクリームにリップクリームがついたものがあります。男性にも女性にも使っていただけるコンビネーションです。(ドイツの冬は空気が非常に乾燥します。男性でも女性でも、冬だけはハンドクリームとリップクリームが欠かせないという方がいます。:訳者注)

化粧品セール期間中、毎日頻繁に製品棚をチェックする必要があります。うっかりしていると、いつの間にか棚のところどころが、ぽっかりと穴の開いたようになっていて、慌てて製品補充をします。お客様の中には、お買い求めの品を「プレゼント包装してください」と希望される方もいます。薬局では、包装紙の模様や色の好みをお客様からお聞きして丁寧に包みます。(包み方にスタッフの好みや個性が出ます!:訳者注)多くの薬局が包装サービスを喜んで行っています。

ここで、薬局でのラッピングの様子をご紹介したいと思います。どの包装紙を使うか決めたら、その色や模様にあったリボンを1-2種類選びます。製品を包み、リボンをかけ終ったら、専用の道具でリボンを細分します。ハサミでしごくと、クルクルッとリボンにカールができます。季節に合った飾りを貼り付けると、できあがりです!

この化粧品セールを楽しみに、期間中だけ遠方からいらっしゃるお客様もいます。薬局の1日が終わるころ、今日も多くの方が嬉しそうにプレゼントや買い置き品を購入してくださったなあと思いながら、補充品リストを手に、楽しく製品を棚に並べ、また明日に備えています。

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