年間通して免疫強化
2022/05/02
ドイツの秋・冬は長くて寒さが厳しいです。雨の降る日が多くなってくると風邪をひきやすくなります。また、11月ごろからノロウイルス感染が多くなります。そこで衛生に気を付けたり、免疫機能を高めたりする必要があります。薬局では免疫強化製品の需要が増えます。日中の温度差が大きく、薄着や汗をかいた後に寒くなったせいで、春・夏でもカゼをひく人もいます。コロナ禍中でもあり、免疫強化は年間通して大切になります。
昨年、あるメーカーがスプレー型の複合ビタミン剤を発売し、その使いやすさから話題となっています。ビタミン剤だけでなく、同社は睡眠導入剤としてメラトニン含有のスプレー剤も販売しています。
ビタミンDは骨の健康や筋肉の働きに重要ですが、数年来、ビタミンDは免疫機能にも大切なビタミンであることがよく言われるようになり、免疫強化剤にビタミンCや亜鉛とともに含有されるようになりました。ドイツでは11月から2月にかけて日照時間が少なくなります(日本の気象庁の資料を見ると同時期の東京の日照時間平年値〔1991-2020〕は約150から約190です。ドイツの平均値はこの時期100を下回っています)。
図1:2020/2021年のドイツ月別日照時間(青)と過去4年の平均値(紺)
人は、日照により自分でビタミンDを作れます。この図のように冬場の日照時間が非常に少ない場合は、サプリや医薬品を服用することにより、充分な量のビタミンDを摂取することが賢明です。
上記スプレー剤の中身を紹介しましょう。4成分が入っています。ビタミンC、セレン、亜鉛とビタミンB6です。B6は疲労予防・回復の目的で含まれています。1日2回、口腔に3回プッシュします。これを使えば、食事に気を付けなくてもいいということではありません。栄養素の偏らない食事を摂取することがとても大切で、新鮮な野菜や果物なども必要量食べるようにと薬局ではアドバイスします。充分な水分を取ることが健康維持に大切なことも伝えます。問い合わせがあれば、ネット検索したり、薬局で揃えているブックレットなどをお渡ししたりしています。薬局スタッフの重要な仕事の1つは、ネットや雑誌、テレビなどであふれる健康情報の中から使えるものに絞ることです。
ビタミン製剤は多くのメーカーが販売しています。用途や必要量に合わせ、コスパも考えながら患者さんやお客様の希望する製品を探し出しています。
スプレー剤ということで、安定性や味などが気になります。この点を自分で調べ、試してみようと思っています。