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CP羅針盤-5

CP羅針盤
5
著者
吉岡ゆうこ
● CP(Community Pharmacy)羅針盤 5
JACPの「行きつけ薬局」=「健康づくり支援薬局」

 

2015.07.22

 

2015年7月2日、厚生労働省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」にて、利用者からの健康や介護等に関する相談対応できる薬局の具体的な要件についての議論が行われました。名前については暫定的に「健康づくり支援薬局」に変更することになり、機能や定義、項目が検討されています。
地域住民の健康づくりへの積極的かつ具体的な支援、それを行なうための相談スペースの確保、健康相談記録作成などが盛り込まれています。

 

もうすぐお手元にアポビッテ1号が届くかと思うのですが、今回はJACPの目指す薬局のイラストにコンピテンシーモデルを追加しました。コンピテンシーモデルとは、行動変容のための目標となるものです。その目標に到達するために、現在JACPではCP研究会、CP学術講演会を通じて「知識・技術」を、ドイツ薬学視察旅行を通じて「態度」の涵養を行っています。
6月初夏にドイツ薬学視察旅行に行ってきました。今年はドイツ「薬局の日」を見てきました。今年初めて知ったのですが、2003年に最初にドイツに行った時に既に開催されていましたので、医薬分業と一緒でずっと古くからあるものと思っていましたが、歴史は浅く15年くらいとのことでした。薬局がもうかっているとバッシングを受ける頃から、薬剤師会が中心となって薬局を国民に知ってもらうためのイベントとして制定したとのことです。
ドイツ薬学視察旅行を催行して10年になるのですが、この間、約300名の薬剤師がドイツの薬局を見てきています。「行きつけ薬局」のお手本を見て、各地で少しづつ行動変容が起きています。フローラ薬局の篠原氏は、JACPのコンピテンシーモデルに早くから取り組まれた一人ですが、JACPの賛助会員であるフォーラルは地域に出て「デリバリーセミナー」を、かくの木薬局は「薬局の日」を設け健康相談会を、コスモ薬局は在宅医療を絡めて多角的な地域展開を行っています。ドイツの薬局とフローラ薬局を視察した大阪のネオプラスファーマもCP化の道を歩き始めています(アポビッテかわら版CP化への道参照)。大森社長の「もう調剤報酬改定に一喜一憂しません。ぶれません」の言葉は印象的です。新たにCP化の道を歩む方が10月埼玉に開局されます。JACPでは今後CP化の具体例も情報発信していきます。

 

「健康づくり支援薬局」

<かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師が備えるべき機能>

  • ・患者の服用歴や服用中の全ての薬剤情報等の一元管理
  • ・24時間対応、在宅対応
  • ・かかりつけ医をはじめとした医療機関との連携

<健康づくり支援薬局の定義>

  • ・一般用医薬品や健康食品等の適正使用に関する助言
  • ・地域住民から健康に関する幅広い相談を受け付け、必要に応じてかかりつけ医など
    適切な専門職種・関係機関への紹介
  • ・地域住民の健康づくりへの積極的かつ具体的な支援

<健康づくり支援薬局検討の際の項目>

  • ・かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能
  • ・一般薬に関する助言や健康相談応需、専門職種や関係期間への紹介を適切に実施できる
  • ・個人情報に配慮した相談スペースの確保
  • ・健康づくり支援薬局であることの表示
  • ・一般用医薬品を一定以上取り扱っている
  • ・平日だけでなく土日祝日も開局している
  • ・薬剤師以外の多職種や関係機関(医療機関、行政機関など)との連携
  • ・健康相談内容の記録作成

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