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JACP医薬品情報室-2

JACP医薬品情報室
2
著者
蔵之介
● JACP医薬品情報室だより 2
経口糖尿病治療薬

2015.01.16

 

経口糖尿病治療薬には、①スルホニル尿素(SU)薬、②速効型インスリン分泌促進薬、③α‐グルコシダーゼ阻害薬、④ビグアナイド薬、⑤チアゾリン薬、⑥DPP-4阻害薬、⑦SGLT2阻害薬、⑧配合薬があります。 


ところで糖尿病治療薬は併用できる薬に制限がある薬が少なくありません。例えば、同じ速効型インスリン分泌促進薬でも、

●ファスティック錠(一般名:ナテグリニド)は、

    1. 食事療法・運動療法のみ
    2. 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
    3. 食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
    4. 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

●グルファスト錠(一般名:ミチグリニドカルシウム水和物)は、 

『2型糖尿病』

となっています。ファスティック錠は併用薬に制限がありますが、グルファスト錠はSU薬以外のすべての糖尿病治療薬と併用可能です。ビグアナイド薬やチアゾリン薬などの薬剤は前者の記載が多く、DPP-4阻害薬(スイニー錠は除く)やSGLT2阻害薬などの新薬は後者の記載が多いです。

前者からみると併用薬に制限があり、後者からみると制限がありません。添付文書上、併用薬に関して整合性が取れていません。このため保険では併用できないと査定されることがあります。今後、添付文書が改訂されていくとは思いますが、糖尿病治療薬を3剤以上併用する場合、特にDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、配合薬などが含まれている処方には注意が必要です。添付文書は1剤からだけではなく、両方の薬剤の添付文書をみる習慣をつけましょう。

 

by 蔵之介

 

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