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JACP医薬品情報室-28

JACP医薬品情報室
28
著者
蔵之介
● JACP医薬品情報室だより 28
抗血小板薬(ブリリンタ錠)

 

2018.09.21

 

 2017年2月、抗血小板薬のブリリンタ錠(一般名:チカグレロル)が発売されました。適応は、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群と心筋梗塞慢性期の血栓性イベント(心血管死、脳卒中)の発生抑制です。

 ADP(アデノシン二リン酸)受容体阻害剤としては、パナルジン(一般名:チクロピジン塩酸塩)、プラビックス(一般名:クロピドグレル硫酸塩)、エフィエント(一般名:プラスグレル塩酸塩)に次ぐ、4成分目になります。前3剤はチエノピリジン系ですが、チカグレロルはシクロペンチルトリアゾロピリミジン群に分類される新規化合物です。作用機序は、チエノピリジン系薬と同様に血小板のADP受容体(P2Y12受容体)を阻害して、ADPによる血小板凝集を抑制します。チエノピリジン系薬は不可逆的阻害のため、手術前に10~14日以上の休薬が必要ですが、チカグレロルは可逆的阻害のため消失が早く、5日以上の休薬で十分です。また、作用発現に代謝活性を必要とするプロドラッグではないため、投与後早期からの血小板凝集阻害作用が得られます。

 相互作用は、CYP3Aで代謝されるため、強いCYP3A阻害剤や強いCYP3A誘導剤と併用すると、作用が増強あるいは減弱するので併用禁忌になります。

 副作用として出血傾向(皮下出血、内出血の増加など)、呼吸困難(投与初期の息切れなど)などが認められており、重大な副作用として、出血(頭蓋内出血、消化器系出血など)、アナフィラキシー、血管浮腫が報告されています。

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

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