登録商標、マルアールの怪?
今回は、登録商標のお話です。
登録商標マーク(registered trademark)は、第一三共(株)の「ロキソニン錠」などと表記されます。商品名が商標登録されており、法的に守られていることを意味します。出願中の商標には、TMマーク(Trademark)を付けることもあります。そんなこと知っているという方もいるかと思いますが、2個あったり、逆にが付かない薬もあります。
2個ある薬は、経皮吸収型狭心症治療剤の「ニトロダームTTS」などです。これはニトロダームというニトログリセリンの商品名と薬物を経皮的に投与する経皮吸収治療システム(Transdermal Therapeutic System:TTS)の両方に商標が登録されているためです。
一方、がない薬は、総合感冒剤の「PL配合顆粒」や解熱鎮痛剤の「SG配合顆粒」などです。何故、ないかというと商標には、アルファベットで3文字以上という規定があるからです。塩野義製薬のMRも知らないと思いますが、今度、箱や添付文書をよく見て下さい。またグリコペプチド系抗生物質製剤の「バンコマイシン塩酸塩散0.5g サワイ」などの後発医薬品にもは付きません。後発医薬品の販売名は「一般名+剤形+含量+会社名」で、元々が一般名だからです。さらに摩訶不思議なのが興和創薬(株)の薬です。アレルギー性疾患治療剤の「レスタミンコーワ錠」や抗めまい剤の「アデホスコーワ顆粒」など多くの薬にが付いていません。コーワの文字が商標を兼ねているのかと思いきや、鎮痛剤の「ランツジールコーワ錠」や心・腎疾患治療剤の「コメリアンコーワ錠」にはが付いています。日本では、登録商標にマークをつけることは義務づけられてはいませんが(商標法73条)、MRに理由を尋ねても明確な答えは返ってきませんでした。
by 蔵之介