● JACP医薬品情報室だより 20
C型肝炎治療薬(ジメンシー配合薬)
2017.12.19
近年、C型肝炎治療の進歩は目覚ましく、インターフェロン及びリバビリンを必要としない直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)が登場しました。
2014年に日本初のDAAのみの治療法として、ダクルインザ錠(一般名:ダクラタスビル塩酸塩)とスンベプラカプセル(一般名:アスナプレビル)の24週投与が承認され、続いて、ソバルディ錠(一般名:ソホスブビル)、ハーボニー配合錠(一般名:ソホスブビル/レジパスビルアセトン付加物)、ブースターとしてリトナビルを配合したヴィキラックス配合錠(一般名:オムビタスビル水和物/パリタプレビル水和物/リトナビル)、グラジナ錠(一般名:グラゾプレビル水和物)とエレルサ(一般名:エルバスビル)の12週投与が承 認されました。しかし、一方で、耐性変異の有無や治療中の薬剤耐性ウイルス出現が問題となりました。
2017年2月15日に発売されたジメンシー配合錠は、従来のNS5A複製複合体阻害薬のダクラタスビル塩酸塩とNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬のアスナプレビル併用に、新規DAAである非核酸型NS5B ポリメラーゼ阻害薬のベクラブビル塩酸塩を加えることで、NS5A耐性変異にも奏功するよう改良されました。有害事象は、ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法群に比べて、
AST(GOT)、ALT(GPT)、高ビリルビン血症が増加したため、投与中は肝機能検査を毎週実施することとなっています。また重大な副作用として、肝機能障害、肝不全、多形紅斑、血小板減少、間質性肺炎が報告されています。
使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい