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ドイツPTA便り-30

ドイツPTA便り
30
著者
アリーン・フォーゲル
● ドイツPTA便り-30
PTAの卒後教育

 

2021.01.26

 

現在のコロナ禍中のように外出や会合において、いろいろと制限のある生活では、ニューノーマルに対応するため、PTA(薬学技術アシスタント)も何か新しく勉強を始めることが大切です。会場へ実際に出向くリアルのセミナーは、現在ほとんど開催されないので、オンライン・セミナー(ウェビナー)が勉強をするツールとして、さらに重要な役割をするようになってきました。

もちろん、これまで通り、ドイツ薬剤師新聞(Deutsche Apotheker Zeitung、DAZ)、薬学新聞(Pharmazeutische Zeitung、PZ)、今日のPTA(PTA Heute)といった、主要専門誌を購読して自分で活字勉強することもできます。しかし、専門情報が常に更新され、これまでの見解が急速に変わりえる昨今、PTAもインターネットという手段をどんどん活用することが必要となりました。

服薬指導やOTCの相談販売では、お渡しする製品について最新情報を知っていないといけません。というのも来局者はCMや雑誌・ネットなどで様々な製品があり、また、新製品が出たことを知っており、スタッフにいろいろな質問を投げかけてくるからです。例えば、これまで使用していたものとどこが違うのか、処方されている医薬品と組み合わせても大丈夫か、コスパにおけるメリットは?などなど。そういった質問に即答できるよう、あらゆるツールを使って想定質問に対する答えを用意しておかなければなりません。

多くの薬局で、スタッフは自由にセミナー参加ができ、リアル、オンラインを問わず、就業時間中の参加も認められることがあります。コロナ禍以前、会場へ出向く型のリアルのセミナーで、晩や週末に行われるものは、あまり好まれませんでしたが、オンライン・セミナーとなると、時間があるときに参加できるものが多く、家にいながらなら勉強できるので、かえって晩や週末の方が参加しやすいようです。専門知識の幅を広げ、情報を常にアップデートしておく必要を現場でひしひしと感じるPTAは、興味があり重要と思われるセミナーに自由時間を惜しむことなく参加しています(訳者注:実際に多くのPTAは非常に勉強熱心で知識欲が旺盛です)。

卒後セミナーには大きく分けて、アップデート型のものと専門の幅をさらに広げるものの2種類があります。

 

オンライン・セミナーには、州薬剤師組合や州薬剤師協会が主催のもの、セミナーをマネージメントする企業や製薬企業が開催するものがあります。一定期間なら参加時間が自由なものと1回限りで定刻開催のもの、参加ポイントがつくものとそうでないものなど様々です。

次は、製薬企業がPTA向けにオンライン製品セミナーを行う例です。Medicalと働き者の象徴であるハチ、Beeをかけて、サイト名がMedibeeとなっています。

 

同社の薬局担当の方がみえると、下の写真のようなシール(左:表と右:裏)を薬局に置いていって、スタッフのセミナー参加を促しています。


PTA向けに専門の幅を広げるセミナー分野は、栄養学、ホメオパシー、臨床薬学、抗腫瘍科、皮膚科、小児科、糖尿病科などがあります。例えば、ホメオパシーの特別セミナーを受けると、ホメオパシー専門PTAの認可証がもらえます。州薬剤師組合・協会主催のものは、空きがあれば、州以外で働く、もしくは在住するPTAの参加も可能です。

ホメオパシー専門PTA教育は、3モジュールに分かれています。週末3日間に及ぶセミナーを2回うけると、2モジュール終了です。モジュール3では試験を含めた2日間のセミナーになります。多くのセミナーで、参加認定証がもらえます。この認定証は、就職の際に、いかにそのPTAが勉強熱心で深い幅広い知識を持っているかを証明することになります。

対面業務、それも、服薬指導やOTCの相談販売にPTAは薬局にとって欠かせない存在です。PTA自身の認識も大切ですが、薬局長にとっても雇用するPTAがいかに勉強熱心かは大きな関心事になります(訳者注:はい、全くそのとおりです)。

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