● JACP医薬品情報室だより 13
保険診療情報(痔疾用坐薬)
2016.12.03
保険診療において痔疾治療薬の投与日数は、添付文書上の留意事項やステロイドの強さ・含量などを踏まえて、14日、30日、90日に分類されます。社保、国保とも明確な査定基準は公開していませんが、経験上、以下であると推定します。
■ボラザG
ステロイドを含まない製剤は、90日の長期投与が可能です。
■強力ポステリザン軟膏
2010年9月に添付文書の改訂があり、『長期連用により、全身投与の場合と同様な症状があらわれることがあるので、長期連用は避けること』と追記されました。弱いステロイドを含有する製剤は、30日を超えると査定されます。ヒドロコルチゾンは、ステロイドの強さの程度で「Weak~Mild」にランク付けされます。
■ネリプロクト軟膏
「Very strong」に分類される強いステロイドのジフルコルトロンを含有しています。また局所麻酔作用があるリドカインを配合したことで急性症状に優れた効果を示します。ネリプロクト軟膏は治験時に1週間で効果が現れたため、重要な基本的注意に、『本剤での治療は対症療法であるため、概ね1 週間を目処として使用し、その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に行うこと』と記載されました。このため14日を越えると査定されます。14日以上、処方する場合には、症状詳記が必要になります。
by蔵之介
後:後発医薬品