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JACP医薬品情報室-33

JACP医薬品情報室
33
著者
蔵之介

●医薬品情報室だより-33

抗アレルギー薬(ルパフィン錠)

 

2019.04.19

 

2017年11月、抗アレルギー薬のルパフィン錠(一般名:ルパタジンフマル酸塩)が発売されました。抗ヒスタミン作用と抗PAF(platelet activating factor:血小板活性化因子)作用を持つ第二世代の抗ヒスタミン薬です。 

抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻水には有効ですが、鼻閉にはあまり効果がありません。PAFは、血管拡張や血管透過性の亢進、知覚神経刺激、白血球の活性化などを誘導するケミカルメディエーターで、鼻粘膜に対しては鼻閉を引き起こします。ヒスタミンとPAFに拮抗することで、くしゃみ・鼻水、鼻閉などの鼻炎症状や皮膚疾患への効果が期待されています。ルパタジンの抗PAF作用は、メディエーター遊離抑制作用ではなく、PAF受容体拮抗作用によります。  

ルパタジンは、tmaxが約1時間と比較的速効性で、活性代謝物であるデスロラタジンはt1/2が約20時間と作用が持続します。デスロラタジンは、デザレックス錠(一般名:デスロラタジン)やクラリチン錠(一般名:ロラタジン)の主要活性代謝物と同じ成分です。最近、発売された第二世代抗ヒスタミン薬のビラノア錠(一般名:ビラスチン)やデザレックス錠などは、第一世代のように抗コリン作用(口喝や排尿障害など)がなく、眠気が少ないために運転等に関する制限はありません。これに対し、ルパタジンは眠気の頻度が約10%と高く、自動車運転等を避けるという記述があります。グレープフルーツジュースと同時服用すると、アレグラ錠(一般名:フェキソフェナジン塩酸塩)は有機アニオントランスポーター(OATP)阻害により減弱するという報告がありますが、ルパタジンはCYP3A4の阻害により血中濃度が上昇します。

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