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JACP医薬品情報室-4

JACP医薬品情報室
4
著者
蔵之介
● JACP医薬品情報室だより 4
高尿酸血症・痛風治療薬フェブリク錠

 

2015.06.01

 

高尿酸血症・痛風治療薬のフェブリク錠(一般名:フェブキソスタット)は、白血病治療薬のロイケリン散(一般名:6-メルカプトプリン)や免疫抑制薬のイムラン錠(一般名:アザチオプリン)と相互作用があり、 併用禁忌になっています。一見、何の関連もなさそうな薬ですが、何故でしょうか?

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これには、こんな物語があります。英国ウエルカム研究所(現グラクソ・スミスクライン社)のガートルード・エリオン女史は抗がん薬を研究中の1956年に、ザイロリック錠(一般名:アロプリノール)を見出しました。その後、上記のロイケリン散、イムラン錠のほか、ヘルペス治療薬のゾビラックス錠(一般名:アシクロビル)、抗菌薬のバクタ配合錠(一般名:トリメトプリム)、抗マラリア薬のファンシダール錠(一般名:ピリメタミン、販売中止)も創薬し、後年の抗HIV薬の開発にも先鞭をつけました。

驚異的な開発力の秘密は、ドラッグデザインよる化学的な修飾にありました。開発した薬は、すべてプリン塩基の誘導体です。この業績に対し、1988年にノーベル生理学・医学賞が贈られました。アロプリノールの薬理作用は、肝臓にあるキサンチン酸化還元酵素(XOR)を阻害し、尿酸生成を抑制することです。活性中心はアロプリノールではなく、活性代謝物のオキシプリノールにあります。アロプリノールは痛風治療薬のゴールデン・スタンダードになりました。豊富な臨床使用がある反面、①まれにプリン骨格による重篤な副作用がある、②腎障害時には投与量を減量する必要があるなどのデメリットがありました。帝人ファーマはプリン骨格を有さない化学構造をコンセプトに、40年振りとなる新規尿酸生成抑制薬のフェブリク錠を開発しました。

アロプリノールは、同じプリン誘導体の6-メルカプトプリンやアザチオプリンと併用注意です。ところがフェブリク錠は非プリン骨格なのに併用禁忌です。何か変ですが、これはXORの阻害作用がアロプリノールより、非常に強力なためです。アロプリノールの効能・効果は『痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症』ですが、フェブリク錠は初めて『痛風、高尿酸血症』の適応症を取得しました。

 

  by 蔵之介

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