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ドイツPTA便り-26

ドイツPTA便り
26
著者
アリーン・フォーゲル
● ドイツPTA便り-26
緊急時には、それに見合った対策を!

 

2020.05.14

 

ドイツでは2月から3月にかけて新型コロナウイルス感染が急速拡大しました。年が明け、まだドイツは大丈夫とは思いながらも、消毒液やマスク、使い捨てのゴム手袋などを注文し続け、徐々に在庫を増やし、緊急事態に備えてきました。今になって多めに在庫を抱えておいてよかったと思いました。その在庫も随分少なくなってきました。今だ、これらの感染予防品は品薄状態です。

 

世界保健機関WHOが勧めるレシピに従い、不足している手の消毒液を3月中旬から調合・販売し始めました。以来、入荷待ちの既成品消毒液に代り、薬局自製の消毒液は患者さんやお客様に好評です。飛ぶように売れてしまうので、当店は初め、ほぼ毎日、後には週2回くらいのペースで1ロット総量5Lを調合して消毒液不足に対応していました。原料確保のため、提携卸やメーカーに在庫状況をオンラインで毎日何度も確認する日々が続いています。

 

国民の感染予防目的に衛生用品の確保に奔走するだけでなく、薬局ではスタッフの保護にさまざまな感染予防対策を行っています。レジには、飛沫感染予防のアクリルボードを置きました。当初、来局者が珍しがったり、ボードを超えて話しかけようとしたりすることもありました。面対応の際は、マスクと使い捨てのゴム手袋を着用します。換気目的で、寒い日でも頻繁に窓や入り口の自動ドアをしばらく開け、空気の入れ替えをしています。ドイツは5月中旬まで、日中の最高気温が25度を超える日があれば、霜が降りたり雪が降ったりする日もあります。

 

電話、コンピューター付属のキーボード、作業台や休憩所のテーブル、ドアのノブなど、人の手が触れるところは消毒用アルコールで1日に何度も消毒します。業務中どこにいてもすぐ手が届くところ数箇所に消毒用アルコールを置き、各自頻繁に手を消毒しています。手を洗う回数が増え、手荒れしやすくなるるので、ハンドクリームを全洗面台においています。感染拡大を少なくとも減速、可能な限り防ぐため、店内でできるあらゆる衛生管理を行っています。薬局内で感染予防にかける時間は決して少なくありません。緊張感だけでなく、仕事も増えました。

 

リスク患者さんと高齢者を守るため、多少の不自由を誰もが受け入れることが大切だと思います。マスメディアでは、つぎのスローガンをよく見聞きします:「Wir bleiben für Euch da, bleibt Ihr bitte für uns Daheim!」(私たちは、あなたのために(=あなたを感染から守るために)ここにとどまります。あなたは、私たちのために家にいてください!)

 

そして、私たち薬局のスタッフは必要な医薬品供給を維持するため、薬局にとどまり任務を遂行しています。この緊急事、見えないけれど重篤な障害を起こしえる新型コロナウイルスに立ち向かい、全薬局が営業をし続けるのは大変重要なことです。

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