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CP羅針盤-32

CP羅針盤
32
著者
吉岡ゆうこ
● 吉岡ゆうこのCP羅針盤32
2020年度調剤報酬改定(その1)

 

2020.03.10

 

1月18日のCP羅針盤で「2020年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される年です。心が弾みますね。」と書きましたが、その後新型コロナインフルエンザ感染症の影響が広がっています。そのような状況で3月5日に2020年度診療報酬改定の告示がでました。

今回の改定は、皆さんの薬局のようにCP化を取り組んでいるところは、大きな影響はなく、対人業務の点数があがり、売上アップになるところもあるかと思います。

しかしながら薬学管理料には注意が必要です。今回の告示の内容をみますと、算定要件の薬学管理料、特に薬剤服用歴管理指導料のところが大きく見直されています。点数そのものへの影響はないのですが、算定要件でいろいろな点が組み替えられたり追加されたりしています。

今回はその1として薬学管理料の頭に追加された項目について解説します。

薬学管理料(全て)の頭のところに4項目はいりました。(1)はプライバシーに十分配慮して実施する(2)カレンダー等は実費徴収してよい、に追加して(3)と(4)が加わりました。

(3)別紙様式1(吉岡挿入 患者の服薬状況等に係る情報提供文書)及び別紙様式3(吉岡挿入 患者の重複投薬等に係る報告書)について、

電子的方法によって、個々の患者の服薬に関する情報等を保険医療機関に提供する場合は、

厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、

安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、

厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の

公開鍵基盤による電子署名を施すこと。

 

今までは服薬情報等提供料のところにあった文章ですが、服用薬剤調整支援料2(100点)ができたこともあり、薬学管理料のトップにきています。

別紙様式1が改定され、医師への情報提供の際に、まずは伝えたいこととして、一番上に「情報提供の概要」の欄が追加になりました。

それから新規に別紙様式3が作られ、患者の重複投薬等に係る報告書が示されました。これらを電子的方法によってドクターに提供する場合にはHPKIによる電子署名が必要になります。しかしながら電子署名の取得はまだ進んではいないところです。これらの情報提供書には薬剤師は署名又は記名・押印が必要であり、その代わりになるのが電子署名です。

 

別紙様式3に係る 服用薬剤調整支援料2 100点(3月に1回まで)

 

<算定要件>

ア 服用薬調整支援料2は、複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている患者に対して、

  患者若しくはその家族等の求めに応じて、保険薬局の保険薬剤師が、重複投薬等の解消のために

以下の取組をすべて行った場合に算定する。

(イ) 患者の服用薬について、手帳の確認、患者への聞き取り又は他の保険薬局

若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握すること。

なお、同種・同効薬が処方されている場合は、

必要に応じて処方の背景を処方医又は患者若しくはその家族等に確認すること。

(ロ) 重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案を検討し、

当該提案及び(イ)の内容を記載した報告書を作成し、処方医に対して送付すること。

 

イ 内服薬の種類数の考え方は、服用薬剤調整支援料1に準ずる。また、6種類以上の内服薬について、

  少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている必要がある。

 

ウ アの(ロ)の報告書は以下の内容を含む別紙様式3又はこれに準ずるものをいう。

(イ) 受診中の医療機関、診療科等に関する情報

(ロ) 服用中の薬剤の一覧

(ハ) 重複投薬等に関する状況

(ニ) 副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤

(ホ) その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)

 

エ 「重複投薬等の解消に係る提案」とは、重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、

患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案をいう。

この場合において、当該文書の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存しておくこと。

 

オ 重複投薬等の解消に係る提案を行う場合、

  患者の希望、かかりつけ医の有無及び処方開始日等について十分な聞き取りを行った上で、

  処方内容の見直しを依頼する処方医に対して報告書を送付すること。

 

カ 処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認すること。

キ 当該加算の算定に係る保険医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、

  服薬情報等提供料を別途算できない。

 

 

それから(4)として下記が追加になっています。

(4)1 薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、

かかりつけ薬剤師包括管理料及び在宅患者訪問薬剤管理指導料を

算定する場合における他の薬学管理料の算定の可否

2 同一月内における服薬情報等提供料及び在宅患者訪問薬剤管理指導料と

他の薬学管理料の算定の可否は別表1のとおりであるため、参考とされたい。

 

別表1に関することは、それぞれの算定要件のところに書かれていますが、ご親切に表にしてくれています。皆様は別表1を参照して併算定できるかどうかの判断材料としてください。

 

改正薬機法の施行は公布後1年以内のものが2020年9月1日、公布後2年以内のものが2021年8月1日施行の予定です。4月1日に向けて調剤報酬改定の準備をすることと、9月1日に向けて改正薬機法の準備をすることを並行してやっていかなければなりません。言葉を探しましたが、まったなし、急務の、すぐそこまで来た、喫緊の課題です。

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